ラブストーリーという伝説

ハロウ、ハテミです。
昨日ずっと観たかった映画「わたしはロランス」を観てきました。

■解説
23歳の気鋭カナダ人監督グザビエ・ドランが、女性になりたい男性とその恋人の10年にわたる愛を描いたラブストーリー。モントリオールで暮らす国語教師ロランスは、恋人フレッドに「女になりたい」と告白する。そんなロランスを非難しながらも、彼の最大の理解者になることを決意するフレッドだったが……。ロランス役に「ぼくを葬る」のメルビル・プポー。フレッド役のスザンヌ・クレマンがカンヌ映画祭ある視点部門で最優秀女優賞に輝いた。
ー以上映画.comより

あのガス・ヴァン・サント監督も絶賛する気鋭の超イケメン、グザヴィエ・ドラン監督の作品。
本作では、脚本、衣装、編集もこなしています。
23歳の男子がこんな映画を作るなんてすごい早熟。
ここ3年くらいで一番泣いた私の中のベストオブムービーです。

どこをとってもすばらしい。というか私のドストライク。
まずは映像美。
これは私の価値観ですが、大きなスクリーンで上映される映画でカットワークがいけてないのはありえない。
この映画はどのシーンもセンセーショナルな魅せ方でかつ内容の繊細がしっかり表現されています。
アート色が強く海外のファッション雑誌を見ているような気分になります。
でもたんなるおしゃれなフレンチシネマではなく絡み合う二人の運命が描かれたストーリーもすごい。
セクシャルマイノリティの葛藤と戦いを描いているようで、実は個人的な愛の話。
舞台は現代ではなく、80年代後半から2000年近くまで。その約10年間に渡り主人公ロランスと恋人のフレッドの関係を描いたラブストーリーです。
でも恋愛ではありません。恋ではなく、愛ね。
互いの存在の大きさを感じながらももがき苦しみ、印象に残る台詞も多く、胸が苦しくなるシーンも多々ありました。

そして音楽のセレクトがすごい。
ザ・キュアー、デュランデュラン、デペッシュモード、ヴィサージ、ザ・ブルーナイル、などなど、ニューウェイブからオルタナティヴロックまで、グッとくる楽曲が盛り込まれています。しかもどのシーンにもマッチしたすばらしい選曲。

でもなによりもこの映画ですごいのはカンヌ映画祭ある視点部門で最優秀女優賞にも輝いたフレッド役のスザンヌ・クレマンのお芝居。
ロランスの事を好奇の目で見る無神経なウェイトレスのおしゃべりにフレッド(スザンヌ・クレマン)が啖呵を切るシーンは、涙がこぼれるほど感動しました。

とにかくすごいパワーの映画です。

まだ観ていない人は絶対みてー。